韓国語学習者の前に必ず一度は立ちはだかる듣기(リスニング)の壁!
韓国語は日本語と違って、表記とは異なる発音変化があったり、パッチムがあったり、母音の種類も多かったりと、聞き取るのが難しい言語です。
「韓国ドラマのセリフや推しの話す言葉を聞き取りたくて韓国語を勉強し始めた」という人は多いと思いますが、なかなか聞き取れるようにならず心が折れかけている…という経験が誰しも一度はあるのではないでしょうか。
韓国語学習歴3年目である私も、例外なくその時期を経験してきました。
もちろん今でも100%完璧に聞き取れるとは言えませんが、難しくないドラマや映画ならほぼ聞き取れるし、YouTubeの動画に字幕がなくても楽しめるくらいにはリスニング力が成長しました。
韓国語のリスニング力を鍛える方法
私が約3年間、自分なりにいろいろ工夫しながら韓国語を学習してきた中で、「これはリスニング力向上に効果があった!」というものをまとめてみました。
もちろん人によって合う・合わないはあると思いますが、いろいろな方法を試してみることも大切なので、ぜひ参考にしてみてください。
1.ディクテーション
これは主にテキストで学習するときや、検定の過去問を解くときにやっていた方法です。
やり方は簡単で、同じ音声を次のように3回ずつ聞いていきます。
- 普通にリスニング問題を聞く(問題を解く)
- (問題の答え合わせをした後に)少しずつ止めながら聞き、聞き取った音声をノートにすべて書き取る
- スクリプトを見て聞き取れなかった部分や間違えた部分を赤で修正したのち、それを見ながらもう一度聞く
ディクテーション(書き取り)は、韓国語ではパダスギ(받아쓰기)と言われている方法ですね。
パダスギすることによって、自分が聞き取れている部分と聞き取れなかった部分が明確に分かります。
そして、どこが聞き取れなかったのかを確認したうえでもう一度聞くことで、1回目よりもはるかによく聞こえるようになります。
さっきまで聞こえなかった音が聞こえるようになるだけでも成長した!と喜びましょう。
リスニング問題を解く際にこれを習慣にしておくと、だんだん聞こえる単語も増えていきます。
検定の勉強などに特におすすめの方法です。
2.ドラマよりバラエティ
「韓国ドラマで韓国語の勉強をしている」という人はきっとかなり多いと思います。
ですが、私の経験上、ドラマや映画はあまりおすすめしません。
日本のドラマでも同じことが言えると思いますが、ドラマの台詞というのはキレイに整えられたものなので、実際に日常で使う言葉とは差が出てしまうからです。
また、ドラマでは発音のキレイな俳優さんが視聴者が聞き取りやすい発声で台詞を言っています。
ドラマでの会話だけを聞いていても、実際に韓国人が日常の中で話す自然な韓国語を聞き取る力を伸ばすには効率が良いとは言えないと思います。
そこでおすすめしたいのが、ドラマではなくバラエティ番組。
YouTubeのインタビュー動画や、アイドルのライブ放送などでもいいと思います。
なるべく韓国人が素の状態で話している音声を聞き取る練習をすることで、韓国人の話し方の癖を掴むことができ、ハッキリとした発音じゃなくても聞き取れるようになってきます。
バラエティ番組の良いところとしては、字幕(テロップ)があることです。
韓国のバラエティ番組って、日本の番組と比べてもかなりテロップが多く、出演者の台詞がほとんど文字起こしされていると言っても過言ではありません。
なので、聞き取れなかったとしても字幕を見れば分かるし、一瞬で消えるテロップを読んでいるうちにハングルを速く読む力も上がったなと感じます。
私は、あくまでバラエティ番組でリスニング力を高めて、ドラマや映画の聞き取りは実力の確認程度に考えています。
(だんだんドラマの台詞がたくさん聞き取れるようになってくるとモチベーション上がる!)
3.韓国のラジオを聴く
私がリスニング力向上に一番役立ったと思っているのがラジオを聴くことです。
韓国のラジオを聴き始めてから、本当に嘘みたいにぐんぐんリスニング力が伸びました。
ラジオの良いところは、まず先ほどのバラエティ番組と同様、自然な会話を聴くことができるところ。
日常会話で使えるような表現をラジオではたくさん聞くことができます。
また、ラジオは音声だけに集中して聞くことができるので、より耳に入ってきやすいように感じます。
最初のころはあまり聞き取れないかもしれませんが、ディクテーションのように一語一句聞き取る必要はなく、なんとなく会話の内容が掴めればいいのです。
聞き取れなくても気にせず、とにかくたくさん聴くことが大切です。
また、同じ放送を少し間をあけて何度も聞いたりすると、1回目は6割くらいしか聞き取れなかったのが7割、8割、9割…と、聞くたびに聞き取れる部分が増えていったりします。
では何のラジオを聴けばいいのか?という話ですが、私はそもそもラジオというものにまったく興味がない人間だったので(笑)、番組問わず好きな俳優がゲスト出演している回を探して聞きまくりました。
そのうち、「この番組面白いかも」とか、「このDJの声が一番聞き取りやすい」とか、自分の中でいろいろ基準ができてきて、今では好きで良く聴いているラジオ番組が5つくらいあります。
ラジオは電車の中など場所を選ばずいつでも聴くことができるので、日常的にラジオを聴くことで耳を韓国語に慣らすことができます。
私は本当に自分でもびっくりするくらいリスニング力が上がったので、すべての韓国語学習者にラジオをおすすめしたいです!!
4.スピーキング力を鍛える
リスニングなのにスピーキング力?と思われるかもしれませんが、個人的にすごく大切なことだと思うので紹介します。
私は1年半ほど独学で韓国語を勉強してある程度の基礎力を身に付け、そこで初めて韓国語教室に通い始めました。
当時の私は、TOPIK6級を取るくらいの知識はあったものの、韓国語で会話をしたことが一度もなかったので、実践的なスピーキング力はダメダメでした。笑
教室に通い始めて、週に1回韓国語でネイティブと話す機会を得るわけですが、そこで感じたのが、リスニング力とスピーキング力は相互に作用しあっているのでは?ということでした。
つまり、話す力が伸びるほど聞く力が伸びて、聞く力が伸びるほど話す力が伸びて…ということです。
自分で韓国語を話すことに慣れてくると、韓国語の文法や単語がだんだん頭に刻み込まれて、聞いたときにも自然に頭に入ってくるようになります。
そして聞き取りがスムーズになると、ラジオやテレビなどで聞いた表現がどんどん自分のものになっていき、実際に会話でも使ってみることで話すのも上達します。
悪循環ならぬ「好循環」です。
独学だと、実際に韓国語を話したことがまったくない…!というまま勉強が進んでしまう人がほとんどだと思いますが、(私も実際そうでしたが)少しずつでも話す練習をすることをおすすめします。
それが最終的に聞き取る力を高めることに絶対つながるので!
教室に通ったりオンライン会話を受講したりという方法もありますが、言語交換アプリで友達を作って通話してみるというのもアリかもしれません。
あと私はネイティブと話す機会がなくても、家で独り言を言ったり、脳内に韓国人を召喚して妄想で会話したり(笑)、とにかく言葉を口に出すということを常に意識しています。
独学は話す機会がなかなかありませんが、機会は自分で作るものです!
モチベーションを高く持とう!
最後に、リスニングが伸び悩んでいるという方にお伝えしたいのが、韓国語が自由に聞き取れるようになった自分の姿をイメージして諦めずにモチベーションを保ってほしいということです。
私が韓国語を勉強してきてよかったなと一番強く感じる成果が、「韓国の作品を字幕なしで楽しめること」「推しの言葉を理解できること」です。
それくらい、聞き取れるようになったときの喜びは計り知れないものです。
なかなか伸びなくてもどかしく思う時期は辛いですが、字幕なしで韓ドラを観たり、アイドルのコンサートでMCを聞き取ったりする未来の自分の姿を楽しみに、モチベーションを上げていきましょう!
それから、これは私の経験上ですが、「全然聞き取れるようにならない時期」という壁を超えると「どんどんリスニング力が伸びていくのを実感できるハイパータイム」に突入します。笑
私の場合、ラジオを聴き始めたり会話を始めたりしてから数ヶ月経つとその状態になりました。
この時期に突入すると、韓国語を聴くのが楽しくて仕方なくなります。
自分に合ったリスニングを鍛える方法を見つければ、きっと誰でも急成長の軌道に乗ることができると思うので、いろいろな方法をぜひ試してみてくださいね!