韓国語の単語帳「キクタン韓国語」シリーズは、「入門編」「初級編」「初中級編」「中級編」「上級編」という風に、5段階のレベルに分かれています。
韓国語の学習やレベル分けにおいて、初級、中級、上級(高級)という言葉はよく耳にしますが、キクタン韓国語は「初級」の前に「入門」というレベルを設けています。
どちらも韓国語学習初心者に向けた単語帳ですが、この2種類はどんなレベルの違いがあるのでしょうか?
「キクタン韓国語」入門編と初級編の違いは?
オレンジの方が入門編、黄緑の方が初級編です。
2つの単語帳の違い(正確に言うと入門編だけがちょっと特殊なので、「入門編」と「それ以外」の違い)には次のような点があります。
単語数の違い
まずは、掲載されている単語数の違いが挙げられます。
入門編は載っている単語の数がそのほかのレベルと比べて少ないです。
初級編はこんな風に1ページにつき8単語載っているのですが、
入門編は1ページに6単語で、フォントも少し大きめです。
キクタン韓国語は、「1日につき2ページ」と振り分けられているので、1日分で考えると入門編は12単語、初級編は16単語です。
また、入門編は5週分、初級編は8週分なので、
入門編 1日12単語×5週(35日)=420語
初級編 1日16単語×8週(56日)=896語
という風に、単語の総数で見ると倍以上の差がつきます。
例文の違い
キクタン韓国語は、左ページに単語とその日本語の意味が書いてあり、右ページには例文が載っているという形式になっています。
この右ページの構成が、入門編と初級編では違います。
入門編にはこんな風にハングルの練習スペースがあり、その下に例文が1文載っています。
一方初級編は例文だけで、基本的に3文ずつ載っています。
また、入門編の例文はかなり最低限の文法(~があります、~します など)を使ったとても簡単なものばかりですが、初級編では種類がもう少し増え、初級レベルの多様な文法が登場してきます。
掲載順序
これはすべてのレベルにおいて共通ですが、キクタン韓国語では、1日ごとに決まった品詞でまとまって掲載されています。
(1日目は動詞、2日目は形容詞、など)
ただ、細かく見ていくと掲載順序にも少し差があります。
入門編では品詞に加えて、ある程度関連する単語や反対の意味の単語がまとまって掲載されています。
(「春」「夏」「秋」「冬」と並んでいたり、「大きい」「小さい」が並んでいるなど)
対して初級編では、完全にではありませんがある程度カナダラ順でまとまっていることが多いです。
(「가」で始まる名詞が同じページに並んでいるなど)
掲載単語の重複がある
キクタン韓国語はレベルによって掲載されている単語も変わりますが、入門編と初級編に関しては例外です。
実は、すべてではありませんが、入門編に載っている単語はほとんど初級編にも載っているのです。
「すべてではない」というのはどういうことかと言うと、入門編には「1から10までの数字」や代名詞「이」「그」「저」のように初歩の初歩と言えるような単語も載っているので、それらは初級編では外されています。
入門編に出てくる重要な動詞や形容詞、名詞、副詞などはほぼ全部初級編でも網羅されていると考えていいと思います。
入門編と初級編どっちを選べばいい?
入門編と初級編で単語がカブっているのなら、入門編は飛ばして語数の多い初級編を買った方がいいんじゃないか?入門編を買う必要はないんじゃないか?と思うかもしれません。
ですが、一概にそうとは言えないんじゃないかと私は思います。
入門編から始めるメリットも、入門編を飛ばして初級編から始めるメリットもあります。
自分のレベルや学習状態、目的に合わせて選ぶことが大切です。
こんな人は「入門編」がおすすめ
まず、入門編から始めるべき人はどんな人なのかまとめていきます。
まだ韓国語単語をほとんど知らない
入門編のメリットは、350単語しか載ってないからこそ、「本当にこれだけは最低限!」という単語が厳選されているので、優先して覚えるべき単語が簡潔で分かりやすいという点です。
入門編に載っている単語は、文法のテキストなどでも最初の方の単元によく登場するような単語が多いので、この350語をまず覚えるだけでも文法の勉強が進めやすくなると思います。
韓国語の勉強を始めたばかりで、まだテキストに載っている単語もあまり知らないという状態の人が最初に挑戦する単語帳として最適です。
単語を暗記するコツを掴めていない
学習を始めたばかりの時期は、単語を知らないだけじゃなくて「新しい単語を覚えるのが難しい」という状態にあります。
単語の覚え方は人それぞれあると思いますが、ハングルにまだ慣れ親しんでいない最初のうちは、どんな単語を見てもただの記号にしか見えないもので、どうやって覚えたらいいか途方に暮れることも少なくないと思います。(経験談…)
学習を重ねて語彙や知識が増えていくにつれて、単語を覚えるコツが身につき、頭に入るスピードも速くなってきます。
まだ単語を暗記するコツが身についていない段階の場合は、いきなりたくさんの単語に接するよりも、単語数が少なくて簡単なレベルでもまず1冊終えるということが暗記の脳みそを作るキッカケになると私は考えます。
また、「大きい」「小さい」、「男」「女」など、対照的な単語は同時に覚えた方が絶対に頭に入りやすいです。
関連する単語がセットになってまとまっている構成にもメリットありです!
こんな人は「初級編」がおすすめ
続いて、入門編を飛ばして初級編から始めてもいいんじゃないかと思うのはこんな人の場合です。
初歩的な単語は頭に入っている
文法を勉強しながら出てきた単語を記憶していて、初級のテキストに出てくるような基本的な単語がある程度頭に入っている人は、初級編から入っても大丈夫だと思います。
簡単な動詞や形容詞、よく出てくる名詞などを覚えている人にとっては、入門編は簡単すぎてあまり意味がないかもしれません。
初級編なら、そのような簡単な単語のほかに初めて見る単語もたくさん出てくると思うので、知らない単語の暗記と知っている単語の復習を同時に進めていけます。
例文を活用したい
入門編には、「-습니다」「-아/어요」のような超基本的な文法を使った例文が1文出ているだけなのに対して、初級編ではもう少し幅広い初級文法が登場し、例文の数も増えます。
初級文法をある程度知っていて、例文を読んだり書き写したりして練習したいという人の場合は、初級編をおすすめします。
また、動詞や形容詞の場合は活用形も一緒に載っているので、単語の原型を覚えるのと同時に、実際に使われる形も頭に入れながら進めていくことができます。
「入門」「初級」自分に合った方から進めよう!
私は、初級レベルの勉強を始めたばかりのころに入門編を購入して単語の勉強を始めました。
TOPIK6級を取得した今となっては、入門編に載っている単語はどれも当たり前のように口から出るような超簡単な単語です。
が、当時は「こんなの絶対に覚えられない!」と挫折しかけながら暗記していました。笑
不思議なものですが、勉強を進めるにつれて、単語を覚える能力も確実に上がっていくんです。
新しい単語を頭に入れるのがすごく大変だったあの頃、入門編から初めて良かったなと今は思っています。
キクタン韓国語の入門編、初級編、ともに韓国語学習初心者に向けた単語帳ですが、どちらから始めるかに正解はありません。
自分の今のレベルや状況に合わせて、最適な方を選んでください!